オリエンタルテーマCにある鳥居のおはなし。

2014/10/04, 09:00

■とりい
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先日実装されました、ACスクラッチ「ミスティックムーン」。
ガンナーである惑星ハルコタンをモチーフとした衣装・アクセサリ群で、
その中に

03190.jpg

「妖狐の尻尾」なるアイテムがあったのです。
妖狐、つまり霊力・霊験のある、狐。

ここで、ちょっとした繋がりが頭の中に浮かびました。


---
冒頭の画像は、オリエントテーマ/C。
このテーマのベランダには、鳥居が一基、取り付けられています。
実はこの鳥居、

狐に縁深い「伏見稲荷大社」で用いられる鳥居なのです。

"オリエントな雰囲気のテーマ"として実装されたこの鳥居と、
"オリエントな惑星"にあわせて実装された、尻尾。
これらはつまり、

「アークス世界では稲荷信仰がある」

といえるのではないかと!!(毎度ながら強引
■解剖
強引に話を進める前に、同じものかどうかを確認しておきましょう。

2014-10-03-002.png (画像→鳥居色々)

鳥居のパーツは上記画像のようになっており、これらの違いで分類されています。
笠木のサイドを上に向かって反らせたものは「反り増し」と呼ばれます。
例えば伊勢神宮に代表される「伊勢鳥居」は

isetorii.jpg

こんな感じ。
額束、島木がありません。柱の内側にだけくさびがあり、(画像だとわからないですが)笠木が五角形なのが特徴。
とても似た形ながら違うものとして、靖国神社に代表される「靖国鳥居」。

yasukunitorii.jpg

伊勢鳥居の笠木が五角形なのに対し長方形になっています。
が、これも画像じゃわかりませんね。てへぺろ。
…あと、wikiだと「靖国鳥居は伊勢鳥居と違って貫が角材やで」とありますが、
靖国鳥居も伊勢鳥居も、たぶん角材なんですよね…(不安
といったところで、伏見大社の鳥居と、オリエントテーマの鳥居をあわせてを見てみましょう。









fushimiinari.jpgpso20141003_235021_002.png



完全に一致やろ…。

正確には「明神鳥居」の小分類としての「稲荷鳥居」となります。
その特徴は、

 (1)笠木と島木に反り増がある。
 (2)貫の先端が柱から突き出ている。
 (3)額束がある。
 (4)笠木と藁座を黒、他を朱色に塗ったもの。

であるとされます。
ばっちり満たしていますね!
オリエントテーマのほうにはくさびがありませんが、そこはポイントじゃないから。(迫真


---
神道は八百万の神様がおり、米粒の神様なりトイレの神様までおわします。
とてもおおらかなものといえますよネ。ゆえに、鳥居の形にそこまで頓着はしてないようです。
同一神社に別の形の鳥居がある!なんてことも珍しくはないとか。

無論、




DSC08200-1_R.jpg

千本鳥居があるような稲荷大社ではまた別なのでしょうけれどね!



■しめなわ
hakuhou.jpg

そして忘れちゃいけない、鳥居にかかる注連縄について。
鳥居はもちろん、神社本殿につけられることもあるし、「横綱」の語源となってもいます。
お正月のしめ飾りもこれが元になっていますね!
意味はざっくりといえば

・神様のいる世界とこちらの世界を分ける結界として
・上が転じて、神様がいる扱い=厄除けとして

となります。
が、特に鳥居に掛けられた場合は前者…

 「この鳥居の先は神様の世界やで、失礼があったらアカンで」

の意味に限定されます。
となれば、このシーナリーパスの鳥居の先は、風景側orマイルーム側になりますが、
双方とも、こう、ピュアに神様チックではないですよね。
そう考えれば、デザイン上の理由で取り付けられた注連縄であるといえるのかもしれません。

縄つけたほうが締まるよね!しめなわだけに!!
みたいな!!!



はいっ。
というわけで、鳥居の分類やその意味は、冒頭でもお伝えしたとおり

 「稲荷信仰を表すもの」

であること、お分かり頂けたかと思います。



■いなり
DSC01202.jpg

せやかて工藤、稲荷稲荷いうけどなんやねん。
そんな服部あなたのために簡単にご説明。

・狐じゃあない。
・明確な描写はないものの、物的&状況的証拠から、女神さま
・農作物(特に穀物)の神様。でも近代は産業全般の神様にされた感じ。
・稲荷様の使い、しもべが狐で、その狐を「稲荷狐」と呼ぶ。
・のだけど割と早い段階(江戸時代頃)で混同された模様。


詳しくはwikipediaなりで「稲荷神」「宇迦之御魂神」あたりを調べるといいよ!


___
つまり、

この稲荷神を信奉するアークスという組織は、







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宇宙を股にかける農作業集団だった…?


…我ながら、推論も結論も強引の塊でござる。自分でもびっくりだ。
信仰に関係なく、デザインとして取り入れられたり、残っただけの線は十分ですしね!
大元が稲・農業に関するだけで、

・農業全般
・商業全般
・芸能全般(江戸時代の舞台演台には全て稲荷が祀られていたとか)
・願掛けをしていくタイプなのでぶっちゃけ全部

に対応する神様だったりするのです。


■まとめ
ss_08_l.jpg

・オラクルで使われる鳥居は、現在のところ「稲荷鳥居のみ」である。
・稲荷神は豊穣を司るもの。
・つまりアークスは農作業(略





■激長余談

…ほんとに長いですからね。


狐。
日本では古より、狐は神聖な動物とされていました。インドの牛と同じ。
大和民族は勿論、アイヌ民族でも、ケマコシネカムイ (足の軽い神)と呼ばれます。
 ※足が軽いから他の神様へ伝令をしたり、逆に何かを知らせてくれる神、ということ。
そもそも狐を神聖視するようになったのは理由が定かではない程歴史は古く、

「農耕民族として、ネズミの天敵は重要だったから」
「古くは"けつ"と呼ばれ、(前述の)"ミケツノカミ"に"三狐神"と当て字して勘違いされたから」

などがあり、源流としては"ヤマガミ"に属するものは何でも神様でして。
…個人的には前者が自然かなーと思いますけど!
田んぼを作る時に見かけたら

「あれがこの土地の守護神かな」

なんて思っちゃうんじゃないかなーなんて。
ともあれ、日本人の根源的な部分では、狐はプラスイメージ先行であったわけです。
が、中国の伝承や仏教といった伝来文化により、

・人を化けて騙す
 それまでは"いたずらをする"程度のものが、国を滅ぼすような悪として描かれたり。九尾狐とか。
・そんな悪い狐を成敗する
 という形で仏教のダキニ天(真言宗)が広まったり。

することで、今の私達でいうところの「この女狐!」だとかになってしまったのですねぇ。
九尾狐も元は瑞獣(良いもの)だったりするのですけれど、
妲己やら玉藻前やらのせいで「悪女」とされちゃったり。かなC。
私としては「傾国の美女」という表現でお願いしたい!(大差ない

民間での信仰のみならず、実際に朝廷へ稲荷狐は出入りできるようになったりします。
上で書いたように女神の使いですから、朝廷に出入りできる女性の称号、
命婦(みょうぶ)」を賜ったのですね。特定個体ではなく種が。
ゆえに、稲荷狐のことを命婦とあだ名する時もあります。
命婦といえば、「みょうぶのおもと」のお話も面白いので是非ご覧くださいね!
 →こちら。
…Twitterでもやりましたけど、さすがに更に長くなるので。

その後、江戸時代となり、稲荷信仰は最盛期を迎えます。
wikiなどにもありますが「伊勢屋 稲荷に 犬の糞」と歌われるほど、
お江戸のいたるところに神社や屋敷神としての稲荷狐が溢れかえったそうです。
以前書いた花火のお話(→かぎたま。)でも触れましたね!


---
ほかにもほかにも、歴史が古いだけあって伝承に御伽噺まで様々あるのですが、
個人的に一番のお気に入りは、葛の葉関連です。
玉藻前もスケールでっかいしドッカンドッカンやるから楽しいのですけど!


これまた長くなるためざっくりとした説明にとどめれば、
葛の葉とは、陰陽師・安倍晴明の母とされます。そう、安倍晴明は人間と妖狐のハーフなのです。
が、異種婚姻は悲劇的な結末になると相場が決まっています。かなシーナァ。
葛の葉も例外ではなく(というかそのハシリなのですが)色々あって、親子の仲を引き裂かれてしまう。
決して別れたくはないけれど、身を引かなければならない。
それを題材とした「蘆屋道満大内鑑」の一幕、「葛の葉子別れ」というものがあります。
劇中で、葛の葉が5才となった我が子を置いて森へ帰るに際し、

恋しくば たづねきてみよ 和泉なる 信太の森の 恨み葛の葉

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と障子に書き残していくシーンがあります。
"恨み"とありますが、燃え上がるような嫉妬の炎ではなく、はらはらと泣きぬらす情景。
種を超える親の愛、耐え忍ぶ美徳とでもいいましょうか。
これが瞽女(ごぜ)という、盲目の女性(琵琶法師的な)芸能者によって唄われ、
日本人女性、特に明治から昭和にかけて、戦争のただなかにある時代でヒットしました。
夫や子が戦地へ赴くことと、自らの境遇を重ね合わせていたのでしょうね。
左手と右手に夫と子を抱いて寝るよな睦言も夕べの添い寝はこれ限り
という文句が涙を誘います。

晴明関連かつ上でも出た蘆屋道満についても色々と書きなぐりたいことはあるのですが、
とりあえず「悪い狸親父の陰陽師」みたいに扱われているのはちゃうねん。
本当は晴明のほうが30歳以上年上やねん。…読んだ本思い出せないので→こちら
いつの時代も歴史は勝者のものやねん。



…なんだかいつになくとりとめがなく、更にクッソ長くなりました。
最後に葛の葉子別れの瞽女唄をぺたって結びとさせていただきます。





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COMMENT

いつの楽しく拝見させていただいてます、稲荷信仰についてなのですが、日本では天気雨や通り雨のことを「狐の嫁入り」とかいったりしますよね、この狐の嫁入りなのですが、イギリスとイタリアでも同じく「狐の嫁入り」と呼んでるそうです、別の国でも狐が不思議な生き物として認知されているのなら、松乃雪様の言うとおりアークスにも稲荷信仰があることは十分考えられると思います。
( ´∀`)
※ピクシブ辞典よりコピペ←
なお、天気雨が降ると動物の嫁入りがあるという伝承は世界中にあり、韓国では虎、アラビアでは鼠、ブルガリアでは熊、アフリカでは地方により猿だったりジャッカルだったりする。イギリスとイタリアでは日本と同じく狐の嫁入りと呼ばれる。
2014/10/04(土) 13:47:49 |URL|ルー #- [EDIT]
◆ルーさん
コメントありがとうございます。
Twitterでの呟きもご覧になられたかと思いますが、
海外では悪賢い・いたずら者のイメージが強く、同じ表現でも意味が違うかもしれませんよね!
農耕民族である日本では、石器時代より特別視されてきたという狐ですが、
狩猟民族であった欧州などでは、獲物を横取りする邪魔ものだったのでしょうし。
こうして話がふくらんでいくと、無駄知識を書いた意義もあるというものです!
2014/10/06(月) 08:22:34 |URL|松乃雪 #- [EDIT]

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